木曜の夜、
妹から スカイプで、リスがげんきないよって。
金曜の朝、
妹からメールで 至急連絡ちょうだいって
スカイプで、 リスがすごく様子がわるいよって。
ああ、みたことがないくらい、わるい。
いままでも、なんどか 弱ったりしたけれど、今回のは 見たことがないくらい、悪い。
リスは10さいくらい。
お姉ちゃんが、モルモットをかいたいっていって わたしもペットショップについていったら、 かわいいリスが居て その日にうちにつれてかえった。
シマリス
メス
本名 シマリズム中山
あだな
リズム リズミカルガール
リズムまる教授
を経て、
おりずむさん
おリズムタン (もしくは おリジミタン)
りずむさん
あれから 10年
犬(カブ)がしんでからも 彼女のおかげで 私たち家族は彼女のかわいい姿をみて 悲しみからすくわれていた
ベルリンにくるのに 年老いたリスを妹にあずけた。
妹はこんなにリスクの高いことをひきうけてくれた。
わたしも、もちろん覚悟はしていたけれど、まだまだげんきだったから。
空想の世界の想定の位の感じでしか かんがえてなかった。
もしも のこと を。
一日中スカイプでリスの様子を中継してもらった。
どんどん みたこともないくらい よわくなっていく。
ずっと 妹も私も それから 広島のお姉ちゃんにもスカイプでつないで
みんな なんども泣いた。
お姉ちゃんが獣医さんに電話して聞いて、対処法をきいてくれた。
あたためること 砂糖水をのますこと。
病院に連れてくる間にストレスで死ぬ場合もあると言うこと。
だから病院へはいかなかった。
動物は、薬をのむと よくなる という認識がないから
薬をのむことは ただの苦痛でしかないと言うこと。
注射だってそう。
それを カブのときに 病院の先生がいっていた。
だから 動物の持つ本来の力を信じること。
ご飯をたべなくてやせていくのは 弱った体の機能でも動かせるほどの大きさに じぶんで 自分の体をコントロールしているから。
そのはなしをきいていて、もっともだとおもっていた。
妹が 片栗粉をお湯で溶いて ジップロックに入れてあったかいクッションをつくって
それから砂糖水を飲まそうとしてくれていた。
お母さんがリンゴをかってきて(りんごといちごと さつまいもがだいすき)
顔のそばにちいさくうすくきったリンゴをおいた。
反応はない。
わたしは なにもできない こんな遠くにいて さわれない。
画面しか さわれない。
りずむさんは 目も半分あけたまま、閉じないし 夢をみているような目をしていた。
この世界をみていないのかな。
声はきっときこえるとおもった。
声をかけると少し反応するような気がした。
だから なんども話しかけた。
そして 目がみえないなら いっそ うそをついた。
おりずむたん おばちゃんかえってきたよ
いつも そうやって わたしは りずむさんに ただいまをいっていた
だから かえってきたよってうそをついた。
りずむさんの中ではわたしが かえってきたんだと おもってもらえたなら、
わたしは りずむさんのそばにいれるとおもった。
小屋の中から ちいさなはこにうつした。
妹が手でだいてくれていた。
あたたかいように。
さみしくないように。
こわくないように。
わたしもなんども画面をなでた きっと つたわったかな。
最初は りずむさん がんばって もちなおしてっておもった。
だけど
箱にれたりずむさんは かぶが死ぬときとおなじかんじだった。
ああ、 そうか りずむさんはもう じゅうぶんがんばったんだ。
10年も長生きして 全部の体の機能をつかったんだ。
だから、おばちゃんかえってきたよ だから どこへでもすきなところにいきなさい っていった。
檻の中じゃなくって これからは どこへでもいけるから どこへでもいきなさい って なんどもいった。
そうして、さいごに ばたばたっと体をうごかして、 りずむさんは たましいと体をはなして しんだ。
日本の時間の夜22時。こちらは15時。
たくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさん 生きてくれて ありがとう。
わたしとともだちになってくれてありがとう。
リズムさんは おりのなかでずっとすごした。
わたしがはじめて自分で全部世話をして(もちろんてつだってもらったけど)
飼った 動物。
飼った時点で赤ちゃんじゃなかったし 手乗りにならなかった。
触ろうとすると かむ。
りずむさん くるみだよ とか りんごだよ とか とまとたべなさい て あげると 飛んでくる。
じぶんで隠したえさを忘れて すごくため込んでしまう、
巣材をくわえるとかならず 車輪で(くるくるまわるやつ)はしってから 地下の自分の寝床へもっていく。
冬には寒さで 巣をぬけだして といれにいくとちゅうで 体温が下がって ねてしまう。
なんどもそれを救出した。
なんどひやっとしたことか。
ちいさいあたまで だけどきっと わたしのことは おぼえくれたんだ
だって りずむさんには わたしだけだったんだ。 世界が。
小屋の中にいれるもの、あげるえさ ぜんぶ わたしが与えたものだけの世界だったんだ。
かぶがきっとむかえにきて、 きっとどこへでもたのしくあそびにいっているね。
ドイツにもきてくれるかな。
その日に ベッドのはしに カブとりずむさんがいるようなきがした。きっと いたんだとおもう。うれしいな。
この日 はじめて学校を休んだ。
そのことをカヅヨさんに(リスがちょうしわるいから休むとだけいった)いったら 夜スカイプで話をきいてくれた。
それからこの家の家族たちは ずっとないていた私を一生懸命はげましてくれた。
おじさんはいつもひょうきんでわらわせてくれるんだけど、今回も、
リスは何歳だったんだ 10さいか じゃあ僕とおなじだな とか
そういういかにもおじさんがいいそうなことをいって 私をわらわせようとしてくれた。
でも大きな手でしっかり肩をだいて やさしくはなしかけてくれた。
この家のおばさんはおじさんが おちゃらけているのを こらこらってかんじで制していて それがまた やさしくて うれしくて ないてしまった
おばさんが 夜 公園にウォーキングにいこうってさそってくれて ふたりで
リンデ(菩提樹)の花をむしりとってきて 帰ってリンデンティーにしてのんだ。
やさしいあまいかおりだった。
公園にいくと 元気が出た。
いや、 大丈夫。
大丈夫なんだ、 だってちゃんと 看取れた。
家族のおかげで。
妹に本当につらい思いをさせてしまった。
だけど妹もきっとわかってくれていると おもってる。
妹はできる限りのことをぜんぶやってくれた。世話の仕方もまったくまちがってない。
りずむさんは、 病気でもない、 体の全部の機能を使い果たしたんだ。
ゆっくりゆっくり やさしく ゆっくり だんだん そして、りっぱにしんでいったから。
かぶのときと いっしょ。
それから どこへでもいける りずむさんになったんだ。
コスタンザも 何も言える言葉がないけど、 あなたのリスはどこへでもいけるんだって メールをくれた。
昨日あったヤンも 話をちゃんときいてくれた。おかげで ずいぶんよくなった。
りずむさんのおかげで、わたしは あらためて、 人にめぐまれていることにきづかされた。
ありがとう。
大丈夫 なんだけど、
油断すると このことを 認めたくない自分に負けそうになる。
だって 帰ったらいままでどおり 車輪でまわってるようなきになる。
いやでも ちがう りずむさんは しんだんだ。
なんども口に出さなくてはいけない。
自分にいいきかせなくてはいけない。
こうやって文章に書いて、そして何度もよまなくてはいけない。
そして何度も何度も写真を見たり思い出したりする。
そうやって ちゃんと認めていくことが大事だ。
あんなにりっぱにしんだりずむさんが わたしに教えてくれたこと、
残してくれたことを うけとるためにも、ちゃんとみとめなくちゃいけない。
何度ないてもいいから。
それをのりこえることこそ、りずむさんが わたしにおしえてくれていることなのかもなあ。
だって、 10年間いっしょにいて、 わたしが いない たった 、たった三週間で りずむさん しんでしまった。
わたしは全部をうけとめて 大事にじぶんのものにするんだ。
歌が 歌えなくならないように、だいじょうぶ、わたしは まだ 歌がうたいたい。
だいじょうぶ。ぜったいに。
りずむさんは ここにも おおさかにも どこにでも じゆうにきっといま たのしいはず。
うれしいな それは。
だから、だいじょうぶ!
でしょ!!!!
うん!!!!!!
たくさん ないたから たくさん わらおう。
そうだよね!りずむさん!!
こんにちは。ぐっさんです。
返信削除一週間くらい前、フジコ・へミングの東北大震災チャリティーコンサートに行って来ました。
昔から、彼女は捨て猫を拾っては沢山飼っていたらしい。
その結果、フジコさんの周りには沢山目には見えない猫達が居て、彼女を守っているらしいよ。
動物も人間も、亡くなったらやっぱり悲しいよね。
悲しいものは押さえ込まずに、泣いたら良いと思うよ。
双葉ちゃん、ありがとうって、きっと言ってるよ。
ふたばちゃんの声を聞いて
返信削除リスさん体の芯から安心したやろねえ。
声をかけつづけてもらって
すごいすごいほっとして、
最後まで満たされた気持ちやったと
おもうのよ。
ぐっさん
返信削除ありがとう、わたしのまわりにも動物がたくさんいたらいいなあ!たのしいねそれ!
やまとさん
ありがとう。そうであるといいなあ!
絶対そうだったよね!ありがとう!